凄い映画でした
凄かったですね
観に行くかどうかさんざん渋ってたんですけど
私もです
必見ですね
必見の作品です
もともと楽しい映画を観るのが好きだということと「バットマン」シリーズは観たことがなかったということで、行こうかどうか散々迷っていた「ジョーカー」。
前回書いた草なぎ君の舞台の記事に影響されて、とうとう観に行ってしまいました。
前回の記事ではたしかに行くのを躊躇っている風でしたね
jamさんはさんざん渋っていました
はい
シリーズの知識ゼロの人間が行っていいものだろうかと
観終わったあと鬱な気分になったりするんじゃないかとか
怖い映画は超苦手だとか
キャラクターも狂気を孕んでいて可愛くないとか
ハッピーエンド以外は観たくないとか
土曜はゆっくり休みたいとか
意外と休みも朝から忙しいとか
ちょ、ちょっと。それ全部みいたさんの意見ですよね?
休日に鬱な気分になったら嫌だなという不安はあったのですが
実際、観終わったあとはどうでしたか?
もう!最の高でしたっ!!
映画「ジョーカー」について
「ジョーカー」公開にあたり、米国ではFBIによって“潜在的な危険性”に関する電子メールが送られたとか、2012年のシリーズ作上映中に起きた銃乱射事件の遺族が懸念を表明し現場の映画館が上映を見送ったなどその影響力を懸念する報道があった本作。
映画を観終わったあとには、日ごろ平和にのほほんと暮らしている私たち(特にみいたさん)でさえジョーカーに共感を覚えていました。
どんな方でも多かれ少なかれ承認欲求を持っています。
だけどどうにもうまく行かない。
そんな自分を持て余している、あるいは心が不安定になっている時に本作を観ちゃうとジョーカーにあっさりと心を持っていかれちゃうんじゃないかと思うほど、強烈な磁力を持った映画でした。
みいたさん、今相当やばかったですよ
私としたことが、少し取り乱してしまいました
この映画はネタバレに気を付けなければならないタイプの物語ではないと思います。
なのでどんどん語っていい映画です、、、たぶん
アーサーとジョーカー
この映画は心優しい、本当に心優しいアーサーの物語です。
みんなにハッピーになってもらいたい(もちろんアーサー自身も)、有名コメディアンになってこの暗く汚れた世界にハッピーを届けたいと切望しているアーサーが、理不尽な扱いや辛い出来事に見舞われ続け、さらには知らない方がよかった自身の生い立ちを知る事でジョーカーになるしかなくなってしまった物語です。
映画はアーサーがジョーカーになる以前と以降で演出が変わります。観客の心をしびれさせるかのように効果的な音楽が選ばれ、使われています。
心優しいアーサーに辛い仕打ちが次々と襲い掛かる間、音楽も不安を喚起するように暗く陰鬱なものが使われています。
まるでいつもハッピーで笑顔であろうとするアーサーを社会が否定するかのように
ジョーカーに目覚めた後は一転、アーサーは自身を理不尽たらしめる存在を狩る側になります。音楽もオールディーズ(と言っていいのかな?)が多用され、少しノイジーだけれど夢と希望に満ちていたころの懐かしくも贅沢で豊かな歌声が物語を彩ります。
それまでモノクロだった世界が総天然色に一変するかのようです。
スクリーンでは残忍なシーンが映し出されているにも関わらず、主演のホアキン・フェニックスの最高の演技と音楽に心が幸福感で満たされます。
これはホントに危なかったですね
ジョーカーの感情が流れ込んでくるようでしたね
映画の終盤、ジョーカーはアーサーだった頃に大好きだったTVショーに出演して心情を吐露します。
「僕が歩道で死んでいても、みんなは踏みつけて通り過ぎるだけだろう」「(ジョーカーが手にかけた)あの3人はトーマス・ウェイン(街の実力者。市長選の有力候補)に悲しんでもらえてるじゃないか!」
もう頷くしかなかったです
誠実に生きようとし、どん底から這い上がろうとどんなにもがいても、足を引っ張られ、無残に死んでも見向きもされない人間がいる。
一方で最低なクズにも関わらず、ステータスを持っている(あるいは生まれながらに持っている)というだけで世間から哀悼される人間がいる。
狂っているのは自分なのか?社会なのか?
このシーン、jamさんの影響のせいか
剛くんで脳内再生してました
私もです
私はもともと草なぎ君びいきなのですが
この役を日本人で演じるとしたら、やっぱり草なぎ君だなと思いました
「ジョーカー」と「ホテルビーナス」
黒いところのない無垢な優しさと、佇むだけで感じさせる悲哀と狂気。そしてダンス。
私の中で「ジョーカー」は大好きな映画「ホテル ビーナス」とシンクロするものが多々ありました。
なので、この記事のアイキャッチは哀しみの底にいるアーサー「ジョーカー」とチョナン「ホテル ビーナス」にしています。
アーサーとチョナンの運命を分けたもの
アーサーとチョナン
どちらも哀しみに覆いつくされた状態で物語が始まります。
「ホテル ビーナス」のオープニング。チョナンが暗い路地でタチの悪い連中にされるがままにボコボコに殴りつけられ路上に倒れるシーンがあります。
無音のシーンにLOVE PSYCHEDELICOの主題歌「Everybody needs somebody」が被さる。
そのクールな映像と音楽に、視覚と聴覚が釘付けになり、映像と音楽の相乗効果の凄さを感じさせるのですが、「ジョーカー」はその相乗効果をさらに追求して高めている感があります。
「ジョーカー」のアーサーはジョーカーになる事でアーサーの魂を自殺させます(自殺させられます)。
一方チョナンはチョナンのまま再生する事に成功します。
どこでこの違いが生まれたのか、
チョナンにはホテルビーナスのオーナー、市村正親演じる謎の女主人ビーナスがいました。様々な不幸や罪を背負った住人を見届けてきたビーナス。そのビーナスに拾われ静かに見守られる中でチョナンは再生していきます。
しかしアーサーにはビーナス(ここでは純粋に女神とします)が存在しなかった。ビーナスになる可能性のあった母親はアーサーをさらに傷つけ、アーサーに寄り添ってくれたはずの恋人は自身の病が見せた妄想でした。
孤独のダンスと扉を開くダンス
アーサーとチョナンの画像をもう一枚
ともにダンスのシーンですが、アーサーは化粧室でたったひとり。チョナンはホテルの住人サイに青空の下でタップダンスを教えています。
ビーナスの存在って、特に男性には大きいんですね
もちろんです
以下はビーナスに失意を吐露したチョナンに、ビーナスがかけた言葉です
誰の人生だって、どんなささやかな人生だって、よそ様には見せたくない背中がある。
挫折とか後悔とか、言い様はそれぞれだけど、それでもみんな気張って生きてる。
気張って世間に胸を張るんだ。
けどそうやって胸を張れば、そいつの背中はまた悲鳴を上げる。
もがけばもがくほど、そんな背中がますます重くなって、諦めて、地面に突っ伏したくなる。
重い背中をしょって、生きるのは辛い。
ただ不思議なもんさ、そんな背中に限って、必ず翼が生えてくる。
背中が重たい奴ほど、きっといつかは高く飛べるんだ。
ここにいるのはそんな連中だ。
アーサーにもビーナスのような存在、場所があったならばと思わずにはいられませんでした
願わくば、心優しいアーサーの魂に安らぎあらんことを
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もし「ジョーカー」を観て心が沈み込んでしまった方がいましたら
「ホテル ビーナス」で再生の物語をご覧になってみてください
あと中谷美紀さん、とても美しいです
「ホテルビーナス」物語のティザー
最果てのとある街――。うらぶれた喫茶店カフェ・ビーナスの奥にあるホテル ビーナスには、心に傷を負った訳ありの人々が住んでいる。
0号室の屋根裏部屋に住むチョナンは、カフェのウエイター兼ホテルの世話係。
住人たちの食事と洗濯を引き受けているが、自身も精算しきれない過去のために、生きる希望を持てないでいる。
1号室には廃業して酒に溺れるドクターと、彼の再起を信じホステスとして生活を支える元ヤミ看護師のワイフ。3号室には花も咲かないような土地からやってきて、花屋を開くことを夢見る娘ソーダ。4号室には幼いころにこのカフェに置き去りにされた少年で、人一倍強さに憧れ、いつもピストルを手放さないボウイがいた。
そんな彼らを見守るのは片足が不自由な謎の女主人ビーナス。
ある日、このカフェに流れ者風の男ガイと幼い少女サイがやってきた。
男はコーヒーを注文するとこう言った。「ビーナスの背中を見せてくれ」と…。
それはこのホテルに潜むための合い言葉だ。こうしてふたりは2号室の住人になった。
ガイは日雇いの工事現場で働き始めた。一方サイは部屋に引きこもり、食事にも手を付けないでいた。それでも食事を運び続けるチョナンにサイは少しずつ心を開いていき、いつしかチョナンを手伝うようになるのだが…。
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