漫画

差配さん

【著者】

お調べするのに、ちっとも情報が出てこない塩川先生。代表作は本日ご紹介の「差配さん」と「ワカダンナ」の二作。
浮世絵タッチの絵もお上手で、古典を匂わす物語の運びも滑らか。
何冊も出版されている腕利きの漫画家さんだと推測するも、キャリア年数など関係ない実力派の新人さんなのかもしれない。
情報がとにかくない、ミステリアスな作家さんです。

【ざっくりとした内容】

お江戸を舞台とした猫と人間の物語(漫画)です。
義理と人情をくどくなくサラリと、だからと言って物足りないかといえばそんなことはなく。
良い塩梅で時代物が表現されています。
人として描かれていたのに、途中で猫になったり、読んでいく毎に「この人は猫でしょう?」とあたりが付いていくのも楽しみの一つです。
震災後、情報や映像・準備や片付け・緊張と安堵など、台風疲れで心がざわついているとき。
人と野良猫たちの助け合いに癒されます。

【オススメの章・ページ】
19ページ~ 川のほとりで

心中のお話をこんなにも“うっかり”ライトに描いちゃうの?!
無理に泣かせる話、感動させる話は世に多いもの。
逆に、深刻な事柄を笑いを交えたお話に変えてしまうところに知性を、不謹慎さをちっともないところに品性を感じます。
心中を持ちかけた男性は死ぬ気はなく、女の子だけ亡くなってしまう悲しいお話でやりきれないのですが、差配さんがちゃんと”落とし物”で仕返しをしてくださるのでスッとします。

【金言】
あの男は 底知れぬ KYGなのでは なかろうか…と

73ページ 初夏のできごと

私の大好きな銀ちゃん(銀次)の登場です。
KYGというのは“空気読めない銀次”の略。
優しくて気遣いが出来て大好きな人を見守るお仕事の銀ちゃん。
私も差配さん同様、彼は大物かもしれないと疑っています。
ちんぴら銀次、この後のお話にも出てきてどしどし和ませてくれますよ。

↓↓いつもありがとうございます。

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