自己啓発

仕事の「生産性」はドイツ人に学べ

【著者について】

隅田先生は20年に渡るドイツ勤務(銀行)経験を活かし、生産性向上のヒントを掴んでこの御本に記されています。日本とドイツの違いはどこにあるのかお考えの結果、働くということに対する考え方や生活の姿勢がもっとも大きな違いだと述べられています。それにしても旧東京銀行(ドイツ・フランクフルト勤務)後、メッツラー・グループ(ドイツ老舗プライベートバンク、1674年創業)へ転職されているのですが、このメッツラー・グループのお話がグッときます。創業者一族・当時の11代目の当主に「われわれにとって大切なことは、あくまで独立性。どこからも買収されないし、どこも買収しない。安心して顧客のために良いと思うことがあれば行動してください」M&Aが珍しいものではなくなった昨今、はたまた銀行名がコロコロ変わる時代を経て、魅力を感じるのは私だけではないはず。

【ざっくりとした内容】

日本人とドイツ人の狭間で働いていた時の双方板挟み(?!)のお話を元に、仕事に対する考え方の違いが面白く、日本人サイドの私が読むにあたってご苦労をされたのだなぁ…と同情してしまうエピソードが多々あります。決して日本がダメでドイツが優れていると一辺倒でないところが最大の魅力。
総じて、これは年若い人が読むというよりは、経営者・管理職など、指示を出す人がお読みになると効果的な御本だと思います。

【オススメの章・ページ】
序章 生産性―日本とドイツで差がつく理由
月~金曜日は日本語で「平日」、ドイツ語では「働く日」

ドイツと日本は、国民をどう捉えるのかの考え方が違います。
ドイツは国民をどちらといえば労働者と捉えて、労働者の権利に重きを置いてきました。
日本は消費者と捉えて、消費者の権利を重視していると思います。

お客側からすると日本のきめ細やかなサービスは素晴らしいと思いますが、勘違いしたお客も出てくるわけで労働者側からしたら大変働きにくい現状が長い間続いていますね。
この章ではキリスト教圏でもあるドイツの週末は安息日、一切の妥協なしでお休みする、徹底的にお休みする様を紹介されています。
「閉店法(日祝はお仕事してはならない)」という強制的な法律があるからお休みが可能という事実は重要だとしても、だからと言って仕事の効率が落ちるわけではない。
「働き過ぎない」重要です。

【金言】
人は人、自分は自分

5章 ます「休む」、その後に「仕事」がある
多様な働き方を受け入れよう

この御本のテーマ「人は人、自分は自分」。
冒頭からずっと言われていることです。移民国家であるドイツには様々な人・生き方・仕事がある。
そのまとめのような章です。
分かっているけど、分かっていない。理解したいけど理解できないなら、大きな意識の改革が必要ですね。日本だってもう沢山の異国の方々が住んでいるのだから。

 

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