自己啓発

孤独は贅沢 ひとりの時間を愉しむ極意

【著者について】

ヘンリー・D・ソロー(以下ソロー先生)は1812年にアメリカ・マサチューセッツ州・コンコード生まれ。このコンコードという田舎町はある時期、後世に名を残す多くの作家・思想家が住み着いていたそうです。ソロー先生もその中のお一人で、ニューイングランドの自然の空間を広大な宇宙に見立てて独自の思想を深めていきました。
ハーバード卒業後は、小学校の先生やお兄さんと塾の経営をされていましたが、お兄さんが亡くなった後は一生定職についていません。
ソロー先生は自由に書く時間を欲していて、1845年、ウォールデン湖の森の中に丸太小屋を作り、2年の間お一人で自給自足の生活でお過ごしになりました。
私の大好きなターシャ・テューダーをはじめ、アーネスト・シートン、トルストイ、ジョン・ミューアなど多くの作家・芸術家がソロー先生の御本を読んでいたといわれています。

【ざっくりとした内容】

ソロー先生の「森の生活<上・下>ウォールデン」の中より、ひとりの時間についての文章を紹介されています。
以前「もたない贅沢がいちばん モノやお金がなくても豊かに暮らせる。」という本を読みソロー先生が大好きになったのですが、こちらも「森の生活」翻訳・構成も同じ方たちなので、内容はほぼほぼ同じです。
冒頭とあとがきが違うのは分かりましたが、違うところを見つける方が難しいほど文章も同じですし、どちらか1冊を読めば良いかもしれません。
…とここまで書いた後、Amazonを見ると、「もたない贅沢~」を改題して、再編集したものがこちらの御本なんだそう。
そうですよね…それなら同じで納得。
私は懐かしさも含め、改めて読むことができ、幸せな時間を過ごせました。

【オススメの章・ページ】

4章 ひとりの暮らしは美しい - 暮らしを愉しむ極意

60 何もない部屋に、友人を招こう。

パンを一緒に焼き、そのふくらむ様子を見ながら会話をしよう。

奥さんは召使いじゃないのに、台所に籠ったままでおしゃべりもできない(料理を作る配膳するのに大忙し)。だったら飲み物を用意する・洗い物をする・一品持ってくる、なんだったら一緒に料理する参加型にしようじゃないか、そんな海外のパーティースタイルをよく聞くようになりました。
ソロー先生宅の、机と椅子とベッドだけのお部屋を再現するのは難しいですが、スッキリとしたお部屋は清々しいと想像できます。
そして、たくさんの料理を作って待つのではなく、粉から一緒にパンを作る。
生地の発酵からパンを焼くまでの様子を観察するのも充実した時間になるでしょうし、ゆうに数時間はかかるパン作りですから、おしゃべりもたっぷりできます。
焼きあがったパンのみを味わうのも、良い時間になるでしょうね。
シンプルなパンが良いだろうなぁ。

【金言】
あたたかい夜には、ボートに乗ってフルートを吹いた。すると、音色につられてパーチという魚がやってきて、ボートのまわりをゆったりと泳ぎはじめた。のぞき込むと、湖底に散らばった小枝の間を、月がゆっくりと渡っていった。

1章 孤独は自分を成熟させる – ひとりを愉しむ極意
01 とびきり上等な孤独になれる時間を、一日一回持つ。

もう本当に「美しい」の一言につきます。ソロー先生(翻訳の方も)の表現が大好きなのですが、一番好きな文章が、一番最初に登場していたのでテンションが上がりました。
この感性があるからソロー先生はひとりでも寂しくない、むしろ自らの美しい言葉だけの世界に身を置くほうが安らいだのだろうなぁと思ったりしたのでした。

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