魔法のいちご
いちごには人を幸せにする魔法がたくさんかけられているに違いない
鮮烈で気品があり艶やかな光を放つ赤い果皮
三角でぷくっとした愛らしい姿
甘くて酸っぱくて、でも酸っぱすぎない味の豊富な果汁
その味以上に濃厚な甘酸っぱいイチゴの香り
魔法の数を数えたらきりがない、、、
イチゴの記憶はいつも香りから再現される気がする
味も見た目も重要なのだがそれ以上に私にとってのイチゴは香りだ
だってその香りで部屋が満たされるとその場にいる全ての人が同時に幸せな気持ちになれるのだから
何度でも言うよ。イチゴの最大の魅力は香りなのだ
理想のいちごの香り
「さぬきひめ」というイチゴをご存知だろうか
私のイメージする理想の香りを装備するイチゴ
今年は遠い讃岐のいちご農家の知り合いに無理を言ってたくさん送ってもらったのだ
桜の花が終わるころに届いたイチゴをジャムにして保存
我が家では一年中、この幸せな果物の香りを楽しむことができる
少し硬くなったガラス瓶の蓋をギュッと力を込めて緩める
理想のイチゴの香りが漂い私は自然と笑みをこぼす
理想の香りをどう表現したら良いだろう
幼いころ再放送で見たアニメ「フランダースの犬」
ネロは幼馴染のアロアに頼まれ町の市場でイチゴ飴を買い求め、その小さな白い紙袋に詰められたイチゴ飴を大切に持ち帰りアロアに渡す
受け取ったアロアは決まってひと粒とりだしてネロに渡し自分もひと粒口に頬張る
ふたりで頬っぺたを膨らませながら美味しいと笑いながら食べるシーン
幼い二人はきっととても幸せな香りで包まれていたに違いない
それが私のイメージする理想のイチゴの香り
「さぬき姫のジャムクッキー」のレシピ
① ボウルに小麦粉、砂糖、柔らかいバター、卵黄を加えて練る。
② 生地がまとまったらラップでくるみ、冷蔵庫で1時間寝かせる。
③ ②を星型の口金のついた絞り袋にスプーンを使って空気が入らないよう少しずつ押し入れる。
④ クッキングシートを敷いた天板に3~4センチの間隔を開け、内側から外側へ3周、次に一番外側の真上に1周すると真ん中が低くなるので、そこにイチゴのジャムを乗せる。
⑤ 200度のオーブンで15分ほど焼いてから一度オーブンから取り出し、水分が飛んで痩せてしまったイチゴジャムの上に追いイチゴジャム。もう数分焼いてで出来上がり。天板に乗せたまま冷まします
やがて香ばしいバターの香りとともにイチゴの甘酸っぱい香りで部屋が満たされるころ
ソファーで寛いでいた猫がそわそわし始める
キミは良く知ってるね
我が家の猫はどういうわけかイチゴジャムの香りが大好きなのだ
ヨーグルトにイチゴジャム、バニラアイスにイチゴジャム
彼にとっては最大級のごちそう
私にとってもそうだよ
キミにはバニラアイスにさぬき姫のジャムを乗せたとびっきりのデザートを用意するとして
私には紅茶を用意しなければ
ジャムクッキーもテーブルに並べて、あとほかには…
幸せなお茶の支度は着々と進む