魔法の時間
見ているだけで幸せな気持ちになるなあ
お目当てのページに付箋を貼ると、私は本を閉じた
写真のたくさん載ったレシピ本を見るのが好きだ
子どものころは家人がおやつや夕食を作るのを熱心に見ていた
下準備から料理のできるまでを見るのがいつだって好きだった
魔法みたいに思っていたのかもしれない
特におやつの支度は子どもにとっては特別だ
今、冷凍庫にはいっているフルーツは
冬にいただいた八朔で作った八朔のマーマレードに
春に取り寄せたイチゴで作ったジャムと
初夏に収穫したラズベリーにジューンベリー
冷蔵庫には金時豆も待機している
うん、決めた
付箋を貼って閉じたばかりの本をふたたび開いた
私は作るのも好きなのだ
猫は、、、
いつものようにお気に入りのチグラで眠っている
私は起こさないようにそっとキッチンに向かった
「ガトー・バスク」フランスのレシピ
※今回はこちらの本のレシピを参考にしました
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簡単でおいしい! 「持ち歩きOK」のお菓子レシピ―いつでもどこでも楽しめる! 著:西山朗子
チグラで温まった猫が床でクールダウンするころにガトー・バスクの粗熱もとれる
おやつの時間
そろそろ3時のおやつの時間
おやつって「八刻」に食べるからおやつなんだよね
ならば今すぐ食べても良いってこと
これは江戸時代から決まっていたことなんだ
サクッと齧るとしっかりと甘い
バターと小麦粉の香りにほっこりすると
甘酸っぱくて苦いマーマレードがきりっと味を締める
理想のカントリークッキーだ
これは止まらないやつだ
!?
大事なものを忘れていた
お茶がない
珈琲の方が合うかな?私はふたたびキッチンに向かう
猫も急いで付いてくる
なぜかはわからない