子どもの頃は
「まずね、ちょっと甘い上の層のパイの部分を食べて
次にちょっと塩味を感じる下の層を食べて
最後に残った薄いパイに包まれたチョコレートの層を食べるんだよ」
以前、家人がそう力説していた事を思い出す
「私はそのまま一口でパクっと食べていましたよ」
と返すと、家人は少し悲しそうな顔をして
「パイの実って空気の層があるから軽いじゃない?
子どもの頃の限られたおこづかいで買うには結構勇気が必要で
子どもにとってはコスパが何より重視だったから質より量
そんな身分で買うパイの実はとっても大切に食べるべきお菓子だったんだよ」
なるほど、と思ったが私はそもそもおこづかいをもらった記憶がほとんどない
おやつといえば蒸かしたサツマイモが楽しみだった
市販のお菓子はお友達のおうちに遊びに行ったときに食べさせてもらうものだった
そう返すと
家人はまた悲しそうな顔をして
「偉かったね。お菓子たくさん食べていいんだよ」
と言ってくれるのだった...あれ? 私なんかかわいそうな子扱いになってる?
さつまいもを蒸かしたのは大好きで喜んで食べてたんですけど
と告げると、家人は今度は優しいまなざしで
「うんうん」とうなづくばかり
どうにも承服しかねるが、特に害はないので家人の思いはそのまま放置しておくことにした
思えば、家人が頻繁に大量のお菓子を買って帰るようになったのはあの時からだ
最近、私たちは食後に散歩がてらに近所のスーパーに行くことが多い
特に欲しいものがなくてもでかける事がある
散歩道の途中で見かける馴染みの猫ちゃん達と挨拶しつつ歩くのが楽しいからだがそれはまた別のお話し
久しぶりの「パイの実」
その家人が今、スーパーの店内で顔を曇らせている
手にはパイの実ファミリーパック
「なんか...久しぶりに手に取ってみると一層軽くなってるね」
と呟いている
私もそう感じていた。チョコの量も少し減っているような気もする
私は少し思案して、、、
「私、作りますよ。パイの実」
「えっ!?そんな事できるの?」と、驚く家人
「冷凍パイシートとチョコレートを買って帰りましょう。たくさん作りましょう!」
「凄い!そんな事ができるなんて!」
大騒ぎする家人をよそに私はテキパキとパイシートとアルファベットチョコレートをカゴに入れてレジに向かった
「パイの実」手作りレシピ
① パイシートを一口サイズに切る、もしくはクッキー型で抜きます
② パイシートにチョコレートをお好みの量はさみ、溶き卵を塗ってしっかり閉じます。仕上がりは若干異なってきますがアレンジでパイシートの四方をフォークで抑えて閉じてもOKです
③ 溶き卵をパイの上面にも塗ります。お好みでザラメを乗せてみたり、、、
④ 200度のオーブンで10~15分。真っ黒に焦げないようにしっかり見張ります
見張りは猫の役目
⑤ 焼きあがったらケーキクーラーに乗せてできあがり
できましたよと家人に声をかける
「ほんとにできてる!」
手足をバタバタさせて喜びを表現する家人
どんなテンションなんだと思いつつ、ひとつ食べてみてくださいと促す
「美味しい!これはパイの実ですね!」
と当たり前の事を言う家人にアイスコーヒーを用意して
改めてケーキクーラーに盛った手作りパイの実を二人と猫で囲む
私もひとつ
「!!思った以上にパイの実ですね!」
とやはり当たり前の事を口にしてしまう
焼き立てのせいか特に美味しく感じる
ケーキクーラーに盛られたパイの実はあっという間に消えてしまった
チョコレートの代わりにジャムとか、あずき、甘栗、紅はるかの焼き芋なんかを包んでみたらどうだろう。ランチパックみたいに大きなパイの実を作ってみるのもいいかもしれない
手づくり「パイの実」の夢は広がるなあ
騒がしい私たちを横に猫はすでに夢の中
ちなみに猫が爪に漬けている黄色とピンクはソフトクローです
猫にも人にも家具にもやさしい優れものです。仔猫の頃から着けることをおススメします。
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